AIが「相談相手」から「職人」に変わる?新登場「Google Antigravity」で何ができるのか

「AIは便利だけど、結局最後は人間が手を動かさないといけないんでしょ?」

そう思っていた方に、少し衝撃的なニュースです。Googleから「Antigravity(アンチグラビティ)」という新しいツールが登場しました。これまでの「ChatGPT」や「Gemini」などのチャット型AIとは、決定的に違う点があります。

それは、「アドバイスをするだけでなく、実際にモノを作ってくれる」という点です。今回はこの新しいツールについて、わかりやすく解説します。

「相談役」と「職人」の違い

これまで紹介してきたChatGPTなどのAIは、いわば「優秀な相談役(コンサルタント)」でした。「キャッチコピーを考えて」「メールの文面を作って」と頼めば、素晴らしい答えを返してくれます。しかし、その答えを使ってチラシを作ったり、メールを送ったりするのは、私たち人間の仕事でした。

一方、今回登場した「Antigravity」は、「デジタル空間の職人(エンジニア)」です。

例えば、「うちの在庫管理、紙だと面倒だからスマホでポチッと記録できるようにしたいな」と思ったとします。これまでのAIなら、「こういうアプリを作るといいですよ」「作り方はこうですよ」と教えてくれるまででした。しかしAntigravityは、「わかりました。ではそのアプリを作っておきますね」と言って、実際に動くプログラムそのものを作り上げてしまうのです。

中小企業にどう関係するの?

「プログラムなんて、うちには関係ないよ」と思われるかもしれません。しかし、これこそが中小企業にとって「自前の道具」を手に入れるチャンスになるかもしれません。

これまでは、業務用のちょっとしたシステムを作るのにも、専門の会社に頼めば何百万円もかかりました。「日報をスマホで送りたいだけなのに……」と思っても、費用対効果が合わずに諦めていた経営者も多いはずです。

Antigravityのようなツールが進化すると、こうした「ちょっとした自社専用ツール」を、AIに指示するだけで作れるようになります。

* 配送ルートを自動で記録するボタンが欲しい

* 毎日の売上を自動で集計してグラフにしたい

* 工場の機械の点検記録を、写真付きで保存したい

こうした「痒い所に手が届く」道具を、高いお金をかけずに自分たちで作れる(作ってもらえる)時代が目の前に来ています。

まだ「魔法」ではないけれど

もちろん、現時点ではまだ「誰でも今日から使える」ほど簡単ではありません。パソコンにソフトをインストールしたり、少し専門的な設定が必要だったりと、ハードルはあります。言ってみれば、「凄腕の職人だけど、指示の出し方にはコツがいる」状態です。

しかし、このGoogle Antigravityの登場は、AIが「ただのお喋り相手」から「一緒に汗をかく従業員」へと進化する大きな一歩です。

地域こそ、AI技術の恩恵を

人手が足りない地域だからこそ、「AIという優秀なデジタル従業員」を雇う意味は大きいです。これまでは「東京の大企業が使うもの」だった最新技術が、いまや「月額無料〜数千円」で、道東の片田舎でも同じように使えます。

「Antigravity(反重力)」という名前には、もしかしたら「重たい単純作業から、人間を解き放つ」という意味が込められているのかもしれません。これからのAI活用は、「聞く」だけでなく「任せる」時代へ。新しい波に乗り遅れないよう、まずは「そんな凄いものができたんだ」と知っておくだけでも、大きな強みになるはずです。